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連続ドラマ・続き

 投稿者:ゴーストライター  投稿日:2009年10月25日(日)10時37分59秒
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  「今前でやっているのがOHP要約筆記です。」
後方の席に移ったリオとまりこに麻耶が説明する。まりこの隣ではサークルのメンバーが麻耶の言葉を次々と書き示す。
「OHPというのはオーバーヘッドプロジェクターの事で、あの機械のことです。ステージと呼ばれるガラス板の上にロール・・・サランラップみたいにロール状になったフィルムシートを乗せて、その上に聞こえた言葉を要約して書いていきます。それがスクリーンに大きく映し出されているわけです。」
「OHPというと、学校で見たことがあります。こんなふうに使われるとは知りませんでした。考えた人、すごいですね。」
リオは持ち前の好奇心を発揮して前方のスクリーンを見る。
「一番初めにOHPを使って情報保障・・・え〜っと、私達、この言葉よく使うんですけど、わかります?」
「わたしのような、聞こえにくい人にも情報を伝える、保障するという意味ですね?」
まさに今、紙に書かれた文字で情報を得ていたまりこが発言すると、麻耶が嬉しそうに笑って頷いた。
「はい、そうです。その、情報保障にOHPを使う事を初めて思いついたのが、ご自身も聞こえにくかった学校の先生だったと言われています。」
リオは感心し、納得した。実は教員免許を持っている彼女だが、もし自分が教育現場にいて毎日OHPを見ていたとしても、それを聞こえない人のために使うこと、使えるかもしれないなどと考えることなどなかったと思う。
「それから、今八尾さんの隣で書いてくれているのがノートテイクと言われる方法です。個人的な内容の時などはこちらの方法で情報保障します。」
まりこは読み終わってから麻耶の顔を見上げた。
「目が疲れないのはこちらの方ですが、これだと喋っている人の表情だとか周りの様子とかがわかりませんね。」
八尾の言葉にまた麻耶が大きく頷く。八尾さんは母よりずっと頭の回転が早そうだ、とリオはこっそり考える。
「そうなんです。一長一短、いろいろあるのが現実です。」
「あの、前の人たち、皆黒いサングラスをしてますよね。黒い服の人も多いし。あれ、なぜなんですか?入ってきた時、ちょっと怖かったんですけど・・・。」
リオの正直な乾燥に麻耶も八尾も笑った。ノートテイクをしていた人も口元を抑えて笑いを隠している。
「ああ、ごめんなさいね。初めての人はびっくりしますよね。けして怪しい集団ではないんですよ。あれはね、OHPのランプの光がすごく眩しいからなんです。目を守るために偏向グラス・・・え〜っと、釣りや屋外のスポーツなんかで使用する、光を反射するメガネをかけているんですよ。」
「ああ、そうなんですか。じゃあ黒い服も光を吸収するため?」
「いえいえ。」
麻耶が手を振って、おかしそうに笑った。
「あれはね、要約筆記者はあくまで黒子というか、動きやすく目立たない服装で現場に行くようにしているんです。今日のような例会では別に何を着てきもいいんですけど、どうしても黒っぽい服が多くなっちゃうんですよね。だから小山さんのような若い人が、華やかな服装で例会に来てくださるのは大歓迎ですよ。」
茶目っ気たっぷりにウィンクされる。麻耶はなかなか楽しい人らしい。
 
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